2007年08月29日

【梨園レポート】周郷梨園(すごうなしえん)

八千代市内に数多くある梨園ですが、各園が保有する畑の数や広さはさまざま。収穫量が比較的少ない梨園の場合、なかなか市場へ卸したりする余裕がないそうですが、数多く畑を持っていらっしゃる梨園さんは、朝採りした梨をグリーンハウスや道の駅、また依頼を受けた一部のスーパーなどに直接納品しているんだとか。売れ残ってしまうと夕方引き取りに行かないといけないので、納品する個数はある程度加減するとのことでしたが、なかなか各直売所に足を運べないという方には農協買いという手もありますね。
今回ご紹介する梨園「周郷(すごう)梨園」さんも、大量収穫が可能な園のひとつ。さて、毎日大量にもぎ頃を迎える梨を、どうやって捌いているんでしょうか?そんなあたりも気になりながら、直売所へと足を運んでみました。

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JA八千代近くのガソリンスタンドの向いに伸びる道路を進んでいくと(写真@)、左手に大きな白い看板が見えてきます。「梨産地直売 周郷園芸」と書かれたその看板を左折し(写真A)、道なりに少し走ると周郷梨園への入口が左手に(写真B)。

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砂利の駐車場へ車を停めたら、そこから少しだけ歩きます。そのまま奥へ進んでいくと(写真C)、二股に道が分かれているので左へと進みます(写真D)。左手にある白い壁で出来た門へ入れば(写真E)、すぐ右側にある直売所へとたどり着きます(下写真)。
白い壁越しに見ると直売所というよりは民家っぽい雰囲気なので、本当にここ?と躊躇してしまったのですが・・・間違いなく、こちらが今回の取材先「周郷(すごう)梨園」さんでした。

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周郷さんの特徴は、何と言っても収穫量!八千代市内でも圧倒的な広さを持つというその梨畑、全部で7面ほどあるそうですが、全て周郷さんの直売所兼ご自宅まわりに位置していて、効率の良い作業が可能なんだとか。また、この麦丸の土地自体にも秘密が・・・。
「ここら麦丸は、梨畑として開拓されたのは比較的新しいんです。市内の古い産地の生産者が3代目だとしたら、麦丸の生産者は2代目あたり。梨の木は古い方が味が良いという話もあるけれど、逆に木自体が若いので、実の生り方にはかなりの勢いがありますね。」

麦丸特有の若く元気な木々を、もみ殻や鶏糞で作った自作有機肥料で成長させ、また最小限必要な量の農薬を慎重に使い分けながら、梨の育成に取り組んでいるそうです。

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豊富な収穫量を誇る周郷さん、箱詰めまでの作業もいかに美味しい状態で消費者に届けるかという点にも配慮がなされていました。
「仕事の速さはピカイチ!と言われるよう頑張っていますよ。朝も5時には畑でのもぎ取りを始め、畑へ向う他のトラックと行き交うのは、梨一杯のコンテナを積んだうちのトラック・・・というくらい。家のまわりに集中して畑があるという好条件もあり、9時にはほぼもぎ取り作業は終わります。日差しが強くなってくる10時頃になると、果実が30〜40℃近くまでどんどん熱くなりますからね。その状態で箱詰めしたら、一発で痛んでしまいます。新鮮なものを新鮮な状態で配送する、そのためにはスピードが重要なんです。」

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梨の収穫がピークを迎えるお盆過ぎ頃は、コンテナ80杯もの量を一気にもいでくる状態に。さらに台風などが来たときには、被害を受ける前にもげるだけもいでしまうそうなので、もうてんてこ舞いなんだとか・・・。
そんな大量の梨を手早く箱詰めしていくためにも、最盛期には足りない人手を農業ボランティアにお願いするそう。
「お盆のあたりから、毎年八千代市の農業士等協会に依頼して、農業ボランティアの方々に来ていただいているんです。多い時では8名ほど、今日は5名の方に来ていただいています。ボランティアの方には即戦力としてご協力いただけるよう、雑用ではなく梨の選別から詰める作業まで自分たちと同じ作業をしていただいているんです。どんどん実際の作業に触れて、どんどん覚えていってもらう。ほぼ同じ方がいらっしゃってくださることもあり、今では皆さんプロ並みですよ。」

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直売所というよりも、選果場といった方がしっくりきそうなこちらの場所ですが、建物の片側一杯に選果機が納められています。一番左に並んだコンテナの梨はひとつずつ受け皿へ乗せられ、それが右へ右へと流れていきます。梨の重さによって、M〜4L、5Lサイズなどなど区分けされた場所へ転がり込むのですが、待ち構えている数人の手によって、どんどん梨がケース詰めされていくのです。
こうして詰められた梨は、一度コンテナに仮置きされて、さらに段ボールで出来た箱へ詰めて配送へと回されます。
ビックリしたのが、2階から流れてくる「八千代の梨」の段ボール箱!作業場の天井越しに、2階からつながっているはしごのようなレール・・・あれは一体??
「ここだけではなく、2階にも作業をお願いしている方がいるんですよ。午後からの箱詰めに向けて、せっせと段ボールの組み立てをしてくれていまして、あのレールを使って1階へと降ろしているんです。」

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作業の素早さだけではなく、箱へ詰める梨にもこだわりが。
「もぎ取る実は、あえて完熟ばかりではなく青さの残るものも一緒に収穫しています。どれも完熟していたら1ケースもの量を慌てて食べないといけなくなってしまいますから、完熟のものとそうでないものを混在しておくんです。そうすればゆっくり長く楽しんでいただけますしね。もちろん青いといっても、ある程度の甘さはすでについています。梨は何といってもシャリ感が肝心!日が経ち過ぎてぐずぐずになってしまっては、いくら甘くても美味しさ半減ですから。」

さらに周郷さん、「この作業所は明るいと思いませんか?普通の部屋よりもかなり蛍光灯の数を増やして、手元の梨の色がしっかり判別できるようにしているんですよ。」とお話されていました。作業時間も、暗くなる前の17時くらいまでで終えているそう。

道沿いから見える大きな看板もありますし、新規のお客さんが多いのでは?と思っていましたが、聞けばほとんど買いに来るのは常連さんばかりなんだそう。それでこれだけの量がはけるんですか?!と思いきや、実は箱詰めした品物のほとんどが配送用に回されていくそう。周郷梨園さんでは、大口の注文も多いそうで、会社関係のお中元向けに50箱とか、老人ホームで受付をしていただいた分への配送などがあるそう。さらに、グリーンハウスや道の駅にも毎日合計30コンテナほど卸しているとのことでした。いくら箱詰めしてもどんどん捌けてしまうのはこういった理由があるんですね。

こうして丁寧に選別・箱詰めされた梨を改めて眺めてみると、なんだか随分と大きい幸水が目立ちます。コンテナの中身も、一杯に詰めても40個程なんだそうで、一粒ずつが比較的大玉タイプです。
「お盆を過ぎると、幸水でも随分と実が大きくなってくるんですよ。ホルモン剤を使えば需要の高まるお盆に合わせて粒を大きくしたり、収穫量を増やしたりすることも出来ますが、それをやってしまうと味が落ち、さらに日持ちもしなくなってしまうんです。」

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「お盆前までは大玉も採れにくいのですが、8月20日以降あたりには幸水のピークを迎えるので逆に比較的大きめなものしか採れなくなってきます。この時期は、特に袋詰めの梨がお買い得ですよ。お盆まではどうしても小ぶりなものになってしまいますが、今なら自然と大玉になるわけです。」
袋にまわす梨は、贈答用としてケースに収めるにはちょっと形が合わないものだったりするそうですが、もちろん味はほとんど変わりません。それがケースの半額程度で購入できるというのはお買い得!
周郷梨園の場合は、(その日の収穫量やサイズにもよりますが)約2キロほど入って1袋500円!3キロ以上入った大袋も1,000円で用意されていました。
もともとこちらは大量に収穫できるということもあってか、平均価格よりも1サイズ分ずつ安い設定になっていらっしゃるのですが、お盆過ぎで需要が落ち着くこの時期はさらにお手頃価格!実は今くらいの時期が直売所の狙い目かも!

粒の大きさといえば、周郷さん曰く「うちの豊水は粒が大きいのが自慢なんです。」とのことでした。幸水のあと、9月がメインになってくるこの品種ですが、周郷さんでは収穫される梨のほとんどが5L以上のサイズばかりなんだそう!ヘタすると新高より大きいからね、というその一言に、また来てみたくなってしまいました・・・。

そうそう、足を運ぶといえば、この梨園では電話やFAXによる予約は可能ですが、配送の依頼は店頭でのみ受け付けているそうです。間違いを防ぐということはもちろん、直売所に足を運んでもらいたい!という意向からだそう。

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店頭での試食は行っておりませんが、特別にお味見もさせていただきました!
適度に粒感があるのですが、その粒も大きさが整っている感じがして歯のあたりがとても上品。すっきりした適度な甘さと、口いっぱいに滴るジューシーさが印象的な、シャリっとした歯ごたえの梨らしい梨でした。

梨園によっては、いろいろな品種を同時期に販売することも多いのですが、周郷梨園では大量に選別・箱詰めしていくので、そのラインが混乱しないように幸水の時期だったら幸水だけを販売しているんだそうです。幸水の時期が終われば豊水だけを販売!バッサリと幸水は打ち切ってしまうそうです。
今年は8月末頃には豊水に移り、9月17〜25日頃に終了。少し間をあけて9月末頃から新高を販売する予定とのことでした。

「実はトマトも人気なんですよ。」
え?梨園でトマトですか??聞けば、トマトを買いにきたのが初めてで、秋に梨も販売していると知ってこの時期に足を運ぶお客さんも少なくないんですって。

トマトは夏の食べ物というイメージが強いのですが、一番おいしい時期というのは、実は春。
「4月からゴールデンウィークまでが最高にうまい!それを過ぎると味が落ちてきてしまうので、6月に入っても実は出来るんですが、あえて5月一杯で打ち切っています。うちで栽培しているのはミディよりも少し大きめな中玉トマト。品種は桃太郎なんですが、味はフルーツトマトのような甘さです。
特に看板も出してはいないんですが、口コミだけで常連さんがついてくれました。サイズはまちまちですが、袋に1キロ位入って500円程度で販売しています。」

皆さん本当にびっくりするくらいまとめ買いしてくださるんですって。特にゴルフボール大のものが“味が濃縮されている!”と人気だそうで、小さめものが詰まった袋を選んで購入するんだとか。しかも何キロも・・・。
トマトをそんなまとめ買いしたら、すぐに痛んでしまうのでは?と心配になりましたが、きちんと作ったトマトというのはそう簡単に傷まないので、長く楽しめるようです。また、不思議と皆さんご近所の方々に配るんだそうで、そこで味を知った方々がまた買いに来たり、今度は共同買いしたり・・・。
そんな話を聞いて、トマト好きな私はいてもたってもいられません!来年の春か・・・。待ちきれない気分ですが、ぜひ買いに行ってここに写真を掲載することにしましょう。ちなみに、春の時期は畑へ出ていて直売所に人がいないことも多いので、事前に電話で確認するのが良いということでした(午後には畑から戻ってくるそうなので、13時すぎ頃がいいかもしれません)。

冬以外、3シーズン足を運べる直売所「周郷梨園」さん。ぜひお立ち寄りあれ!

●周郷梨園(すごうなしえん) 047-450-8145(FAX 047-450-7350)
千葉県八千代市麦丸917(地図
【営業時間】13:00〜17:00
【駐車場】有り
【ホームページ】作成中
※電話・FAXによる予約注文は可。ただし、受け取りは直売所のみ。地方配送については店頭にて直接申し込みのこと。
※フルーツキャップ(白い網状の果実保護用)は4L程度のもの以上であれば、ご希望のものにかぶせるとのこと(あまり小さい粒にかぶせても、かえって貧弱に見えるそうなので・・・)。
※4月〜5月に販売している中玉トマトについては、畑に出ている場合があるので事前に電話にて確認するのが良いとのこと。(047-450-8145)

※八千代ナビ!八千代の梨園マップ


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2007年08月23日

【梨園レポート】果秀園(かしゅうえん)

村上の16号沿いなど直売所の密集地域ではなく、ちょっと外れた島田台の一角に、ほとんど市場に出回ることなく店頭販売のみで売り切れてしまうという人気梨園があるそうなんです。
車でないとアクセスしにくいということもあってか、電話やFAXによる注文販売の量が半端じゃない!口コミで広まったというその人気の秘密に迫るべく、白井良夫さんが生産する梨園「果秀園(かしゅうえん)」へお伺いしてきました。

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場所は、中山カントリークラブ入口側の道沿い。JA八千代近くにあるクロネコヤマトの通りをひたすら進み、左角に見えるデイリーヤマザキを左折、道なりに進んで左に大きくカーブした先(そこが中山CC沿いの道)に果秀園の看板と直売所が見えてきます。
村上あたりに比べれば通行量も少なく駐車場も停めやすいので、車があればちょいちょいと行きやすい場所かもしれません。

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こちらの直売所は、入口の前に自宅用の袋入りや、ちょっとした手土産用の手持ち箱入りの梨が並べられており、お店の中ではケース売りの受付や配送依頼が出来るようになっています。朝採りの新鮮な梨だけを並べているというこの梨ですが、18時を閉店を待たずして完売してしまうことも多いそう。市場へ卸したり、翌日に持ち越すような余裕はなく、すべてその日のうちに売れてしまうというから驚きです。

店先には梨のほかにも、桃(500円)やじゃが芋(200円)などが一緒に販売されています。丁度行き交ったお客さんが「このまえの桃、おいしかったわー!」なんて言っていましたが、桃は10時半の時点ですでに完売・・・。ここのじゃが芋も、ほっくほくでおいしい!と評判らしく、じゃが芋目当てに買いに来られる方もいらっしゃるとか。

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お店の中がこれまたすごい!
一歩踏み入れると、そこはまさに梨の戦場状態!正面では選果機がゴロンゴロン音を立て、選別し終えた梨の山が右側のスペースへきれいに積み上げられています。そんな様子を上から見守るかのように壁一角を埋め尽くす賞状の数々!
八千代市園芸共進会主催の「八千代市園芸農産物共進会(なし幸水の部)」や八千代市土と緑の祭典実行委員会主催の「園芸農産物共進会」、また「千葉なし“豊水”味自慢コンテスト」など、数々のコンテストで入賞してきたという実績が一目瞭然、表にも昨年受賞された八千代市長賞の記念札が立てられています。

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そんな実力派な果秀園さんですが、どんなこだわりの梨づくりをされているんでしょうか??生産者の白井良夫さんにお伺いしてみました。

「そうだね、特に肥料にはこだわってるよ。肥料には相当お金をかけていて・・・詳しくは企業秘密だけれどね、うちの畑を見た肥料やさんが“マスクメロンでも育てているですか?”と言うほどのものを使っています。だから甘みが違うんです。」

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八千代市梨業組合でも全面的に推進しているエコファーマーへの取り組みですが、この梨園でも環境にやさしい農業を精力的に取り組んでいらっしゃり、認定も受けています。
「減農薬、減化学肥料での栽培というのは、特別エコファーマーになったから始めたというわけではないんですよ。薬を使わず虫被害に効くフェロモン剤も、今はコンフューザー(赤い紐のような形のものを木にぶら下げて使う)という製品が一般的ですが、こうしたフェロモンを使った虫よけが出来たという初期の頃から導入しています。」

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さらに、収穫時期についてもこだわりが。
「成長を早くしたり生産量を高めたりするホルモン剤(ジベレリンペースト等)は一切使わず、自然に熟した梨を一番最適な時期に収穫して販売しています。梨っていうのは、置いておけば色がつくけど追熟はしないからね。やっぱり木で完熟したものは味が違うんですよ。それに収穫してから時間が経つと、どんどん梨独特のシャリ感がなくなってしまいます。市場に卸してからスーパーなどに並ぶまでには最低でも3日はかかりますし、流通の間にどうしても傷だらけになってしまいます。たっぷりの水分と食感は、木で完熟したもぎたての梨ならではの特徴ですから、直売所の梨はそういった点で市販のものと大きな違いが感じられると思いますよ。」

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収穫の時間も、いくら需要があっても朝9時半ぐらいまでで切り上げてしまうそうです。日が高くなってカンカン照りになってしまうと、光のせいでどれもあかく色づいて見えてしまうので、本当に完熟しているものかどうかの判別がしづらくなってしまうのだとか。

そうして慎重に収穫した梨は、店内に置いてある選果機(せんかき)に流され、サイズのふるい分けが行われるのです。
(この日はまだお盆前だったこともあり)収穫量はコンテナ20杯ほどでしたが、最盛期にもなると70〜80杯もの梨をもいでくるそう。選果機を導入する前は、この量を白井さんと奥様、息子さんの3人だけでS〜5Lサイズなど7種類以上に分類しなければならず、朝から晩までてんてこ舞いだったとか。今では当時と比べ物にならないくらい楽になったとおっしゃいます。

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こうして無事箱詰めされた梨は、予約先への配送へとどんどん回されていきます。店頭で直接購入されるよりも、電話やFAXでの発送注文が圧倒的に多いそうで、特に収穫量が限られる3L以上の大玉タイプになると、予約分で一杯だとか。お盆過ぎになると、注文しても1週間待ちになってしまうそうです。

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果秀園さんでは、幸水や豊水などのほかにも、新品種の取扱いもしています。幸水より少し前、8月上旬に販売が始まる筑水(ちくすい)という品種や、10月中旬以降に収穫される王秋(おうしゅう)・新雪(しんせつ)といった種類を用意しているそうです。
そんな品種の話をしていたとき、面白いことを耳にしました。
「梨はね、幸水の木から出来る実の種を蒔いたからといって、幸水が出来るとは限らないんですよ。」

梨はほぼ接ぎ木で増やしていく植物なんだそうです。しかも、同一品種間で実がならず(自家不結実性)、さらに実がなる組み合わせも限定されている(交配不親和性)という難しい性質を持っているので、虫媒花でありながらも人工授粉に頼らないとなかなか難しいようです。実が生るには同じ時期に開花し、しかも親和性を持つものを2品種以上植える必要があるんですって・・・。
梨の話を色々聞いて回っていると、ひとつの作物を育て上げて、しかもおいしい立派なものを作るというのは並大抵なことではないなぁと、あらためて感じさせられます。

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さて、そんな努力の結晶である果秀園さんの幸水を実際にいただいてみました!手に持った感触は間違っても熟しすぎてぐずぐずといったことはないのですが、包丁の刃をいれたときの滑らかな感じにびっくり。固めの洋ナシでも剥いているかのようなイメージ・・・それは口に入れたときにも同じ印象でした。歯ごたえやシャリ感はあるのに、梨特有のざりっとした粒が無いんです。舌ざわりはあくまで滑らか、ざらつきがありません。
お味はとっても澄んだ優しい甘さで、透明感のある風味がします。甘みがのどに残らず、はじめはちょっと物足りないかな?と思いつつ、でも食べているうちにじわじわとその甘さが引き立ちはじめるという何とも不思議な食後感。
うーん、上品!

でも、白井さん一押しの品種は豊水なんですって。
「梨の中で、自分は一番おいしいと思ってます。」

今年も八千代市園芸協会が主催する梨の共進会が8月31日(金)に開催される予定です。去年まで3年間ほど村上フルルで行われていましたが、今年はイオン八千代緑が丘が会場に!そこでは、市内の55〜60園ほどから自慢の豊水が出品されるので、なかなか直売所まで足を運べない方にはぜひおすすめの機会です。(→詳細はこちら
果秀園の生産者、白井良夫さんの梨も出品される予定です。気に入った梨を購入することもできるので、ぜひ足を運んでみてはいかがですか?

【追加情報 H19.9/1】

平成19年8月31日(金)に開催された「第22回八千代市園芸農産物(梨・豊水の部)共進会」にて、今年も白井さんの梨が八千代市長賞を受賞しました!(→詳細はこちら

2年連続受賞という快挙を成し遂げた白井さん、さぞお喜びのことと思い、さっそく翌日に直売所へ向かいましたら・・・ありました、ありました!去年の札の隣には、真新しい札が!!

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お顔を拝見した途端、「ちゃんと写真撮れてた?撮れてた??」と確認するその様子に、思わず噴き出しそうになってしまいました。
ちょっとカメラが遠かったのですが、ちゃーんと受賞の瞬間を納めてきましたよ!

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この日は、豊水のほかにも面白い梨がありました。「秀玉(しゅうぎょく)」というかなり大玉な青梨です。白井さんの奥様曰く「これは本当に美味しい梨なのよ!」とのこと。
その大きさもさることながら、味わいまで逸品だなんて!これは贈答用にもぴったりです。(・・・でも、数が少ないため梨園マップの収穫品種リストには掲載していません。気になる方はお問い合わせを。)

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ちなみにこの梨、収穫直後よりも2〜3日置いてからのほうが、酸味が抜けて甘みが増し、また香りもさらに豊かになるんだそう。もぎたてがどれも一番なのかと思っていましたが、そうではない品種もあるのですね。

●果秀園(かしゅうえん) 047-450-3212
千葉県八千代市島田台728-2(地図
営業時間/9:30〜18:00(売り切れ次第終了)
※八千代ナビ!八千代の梨園マップ
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2007年08月18日

【梨園レポート】梨園またべー

夏風邪をひきにくくするには冬の暖房を抑えめに、冬に健康で過ごすためには夏の冷房を控えめに、とにかく自然に過ごして体を鍛えておくことが風邪への何よりの対策だということを耳にしたことがあります。
自然治癒力など、人間が本来持っている力が十分に発揮出来るようコンディションを整えておくことで、病気に負けない生活が送れるというわけですが、こうしたことは植物にも通ずるものなんだそう。

「木自体を丈夫にすることが、薬に頼らず育てていける秘訣です。」
そんな信念を持って梨作りに取り組んでいるのが、今回お伺いした綱島豊一さんの梨園「梨園またべー」。
場所は、16号を村上フルル側から柏方面へ進んだ道沿い左側、大きな看板とその覚えやすいネーミングが目印です。

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ちなみに、村上にあるイズミヤ沿いの県道(新川側)からも行くことができます。県道を柏方面の16号へ向かってしばらく進むと右手に石碑と村上梨集出荷場が見えるのですが、そこを越えて3つ目の右側脇道に入ります。

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道なりに進むと、分かれ道にまたベーの案内看板が立っているので、それに従って進んでいくと、あっという間に直売所の駐車場へ到着!

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こちらの直売所には、販売場所だけではなく、配送用紙などを書いたり梨をいただいたりする時に利用できるテーブルなどもきちんと用意されています。駐車場に停めると、そのテーブルコーナーが目に入りますが、まずは梨が陳列してある販売所へ。この日は8月8日、いよいよ梨もシーズン突入!とばかりに、大玉の梨がずらりと並んでいました。

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直売所には、いつも同じ梨が並んでいるわけではなく、その時期によって採れる種類のものが販売されています。お盆前後にシーズンを迎える梨と言えば、とにかく甘さが際立つ人気の「幸水(こうすい)」!
まだ出始めということもあり、そのサイズも豊富に用意されていました。ご家庭タイプのMサイズから、贈答品として好まれる大玉5Lサイズまで、緑色のケースにずらりと納められています。ちなみに、1ケース5キロの詰め合わせの場合、Mサイズは20個ほど、4Lサイズだと12個入っていまして、またべーさんの場合は1箱3,000円〜3,800円程度で販売されていました(大玉になるほど貴重なので、同じ重さでも価格は高くなります)。

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「直売所で贈答品としてケース買いするのはいいけど、家でそんなに食べられないわ!」という方には、各直売所で用意されている袋入りがオススメ。こちらでは、M〜Lサイズくらいのものが5〜6個入っている2kg1,000円のものが販売されていました。
ちなみに、バラでも購入できるそうですよ(1個200〜300円程度)。

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またべーさんでは、幸水や豊水などのメジャー種以外にも、新品種を育てていらっしゃいます。幸水が出始めるまでの間、7月下旬から8月中旬位までは、幸水などと似て水分が多く香り高いという甘い梨「筑水(ちくすい)」や「明水(めいすい)」を販売していたそう。来月9月から始まる豊水(ほうすい)と同じ時期には、夏光(なつひかり)という梨も採れるそう。新高(にいたか)の前には、「南月(なんげつ)」も収穫されます。これは病気に弱い「南水(なんすい)」という梨の改良版で、甘みの強い青ナシだそうです。

「愛宕(あたご)という梨も10月上旬から販売するんだけれど、これはとても日持ちのする種類なんですよ。お歳暮はもちろん、お正月に食べる梨として皆さん買っていくんですよ。」

ええ??梨を・・・お、お正月ですか?!
そんな品種は初めて知りました。冷蔵庫とかに入れて保存しておくのかしら?

「愛宕は常温でも大丈夫ですよ。日持ちのする梨として有名な新高よりも丈夫で、新高ですら時間が経つとだんだんと肉質が落ちてしまいますが、愛宕は10月に購入したものをお正月に食べても歯ごたえはしっかり楽しめます。冷蔵庫に入れておいたら、来年の4〜5月くらいまで持つんじゃないかな?」

桃は食べる2〜3時間前に冷蔵庫へ入れるのが良いと聞いたことがありますが、これは桃の甘みは冷蔵庫に入れるとどんどん抜けてしまうからだそう。逆に、梨は甘みが落ちないどころか、甘み成分である果糖は冷やすことでα型からβ型に変わり、甘みが3倍に増えるんです。長持ちもしますし、梨はぜひ冷蔵庫へ。

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またベーさんに、梨を育てる上でのこだわりについて伺ってみたところ、殺虫よりも殺菌を重点的に行っているということがポイントのよう。
「虫は観察さえしっかりと行えば、殺虫剤をかける必要も最小限に抑えられるけれど、殺菌剤を減らすためには病気を減らす必要があるんです。人間も体が丈夫だと風邪がひきにくくなるように、病気にかかりづらくするということは、木を元気にするということなんです。
そのためには、まず木を薬漬けの状態から自然な環境へ慣れさせることが重要になります。そこで、栄養は化学肥料は一切使わず有機肥料のみで育てることにしました。マグロやスケソウダラなどの魚骨を主体とした完全有機で栽培する、いわゆる古代農法を取り入れているんです。」

そうした土壌づくりを整備しても、それをしっかりと木が養分として取り入れなければ意味がありません。その手助けまでも、しっかりと考えていらっしゃるまたベーさん。

「木というのは、もちろん根っこから養分を吸収するのが基本ですが、特殊なやり方で葉から直接吸わせることもしています。また、日照時間が少ないと、“光合成によって、水と吸い上げた養分を栄養に変える”という作業が滞ってしまいますので、葉がより一層日光を浴びられるようにしています。」

葉を間引いたり薬品を使ったりするのではなく、なんと葉に海藻エキスのようなものをかけるんですって!!それによってピンと張っていた葉がしなり、隣同士との間に隙間ができるので、1枚1枚に光が当たるようになるんだそう。

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「薬漬けにすると、人間だって弱くなるように、木もどんどん弱くなってしまいます。農薬の散布は努力して最小限に抑えるように、そして土壌は化学肥料に頼らず有機肥料を工夫して、梨本来の自然な味を引き出せるようにしているんです。」

豊水がピークとなる9月上旬くらいからは、入園料無料の梨もぎ体験もできるんです。なんと時間制限ナシの食べ放題付き!
希望の方は、梨の販売所で受付を済ませて、16号を渡った向かい側にある豊水畑でもぎ取り体験を行います。もぎ取った梨を入れる袋を渡されますし、手で簡単にもぎ取れるので、特にこれといった準備は必要ありません!

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こちらで収穫した梨は、すべてキロあたり800円で買い取ります(大きいサイズですと、大体2〜3個で1kgになるそう)。買い取った梨はすべてご自宅に持ち帰り、食べ放題は直売所で用意されたものをいただきます。梨畑で食べずに、直売所に設置してあるテーブルでゆっくり食べ放題!梨がかご盛りされているのを、ナイフでむきながらシャクシャクシャク・・・。
大きめなテーブル&ベンチの下は、ウッドデッキのようになっているので、特に女性は足元を気にすることなくゆっくり堪能できるのが嬉しいですね。トタン屋根からよしずが下がり、大きな扇風機も用意されているので昼間でも涼しく過ごすことができます。

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そのテーブルで、今日は幸水をお味見です。

いやいや、この幸水は甘ーい!すごくモノの良いはちみつの甘さに似たイメージです。はちみつ独特のくせがない、ただただ舌で感じられるあの甘さが、梨を含んだときの第一印象でした。
またベーさん曰く、この糖度がちょうどギリギリの限界だとか。これ以上甘くなると、逆に何切れも食べる気がしなくなってしまいます。豊水も糖度だけで言えば、幸水よりも甘いものがあるそうですが、豊水の特徴として酸味が入るため、それほど甘さばかりが前面に出ないので食べ放題などでもパクパク行けてしまう梨だそう。

今はまだ幸水真っ盛り。
まずは甘い幸水を、そしてみずみずしい豊水の爽やかさを、ぜひ自然な味わいを追求しているまたベーの梨、食べてみませんか?

●梨園またべー 047-485-1794
千葉県八千代市村上822(地図
生産者:綱島 豊一
直売所開店予定期間/7月最終日曜日〜10月上旬まで
営業時間/10:00〜18:00
駐車場/有り
※梨もぎ体験/入園無料。もいだ豊水は1kg当り800円でお持ち帰り。直売所で別に用意した梨を、時間制限なしで食べ放題(無料)!
※地方発送/有り
※電話注文受付/有り・TELまたはFAX:047-485-1794

※八千代ナビ!八千代の梨園マップ
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