そう信じてきた私にとって、4月下旬がピークだという事実は衝撃的なことでした。
路地モノしか無かった頃は、確かに夏に採れていたそうなんですが、雨ざらしの状態は病気になりやすくどうしても農薬の使用量が増えてしまいがちですし、今ではハウス栽培が一般的だとか。
ハウスで育てると、1月上旬頃には花が付きはじめて、そこから湿度や室温を調節しつつ、適度な日照時間でじっくりじっくり実が成長して行き、丁度今ぐらいから美味しいトマトが収穫できるようになってくるということなんです。
春に花がついても、5月以降は日照時間がぐっと長くなって、気温もハウス内は40度近くになってしまうので、あっという間に熟してしまうらしいのです。1月から3ヶ月もかけて完熟したトマトの旨みを楽しめるのは、この4月だけ!!
そんな旬を迎えたトマトを筆頭に、オススメの春野菜を“道の駅やちよ”の農産物直売所「クラフト」さんにお伺いしてきました。
この時期、トマトがおいしい!というのを常連の皆さんはバッチシご存じのようで、びっくりするほどトマトが売れるそう。しかも、皆さん生産者違いでいくつも購入していきます。
「トマトは育て方で全然味が違ってくるんですよ。今日は8軒ほどの農家のトマトが出ていますが、同じ品種でも違いが明らかに分かるほどなんです。水分量や酸味、甘みなど好みのものを見つけて、4月中に買い溜めされているほどです。」
トマトの種類は、ポピュラーな桃太郎トマトやファーストトマトのほか、市場ではあまり出回っていない「千葉サンサン」というオレンジ色のミニトマトなども置いてありました。
ファーストトマトは、一般的に皮が軟らかくて酸味が少ない・・・といったように、品種によって大まかな特徴はあるようですが、同じ種類でも選び方によって全然違うんですって。
「実がしっかりと固いものほど、なかなか熟すまで時間がかかるんですが、それだけ生育日数が長いので味もどんどん濃くなります。桃太郎トマトの場合は、持ってみてずっしりしっかりしているもの、水に浮かべてみて沈むものは、そういうタイプなのでおいしいですね。
見た目で選ぶポイントは、濃い縞が放射状に入っているものが良いと思いますよ。表面に白いテンテンが沢山入っていたり、形が角ばっているものは、水っぽいトマトの場合が多いです。」
トマトは中玉が5〜6個程度で、一袋200〜300円程度で売られていましたが、これから4月末のピークに向けてどんどん安く、おいしくなってくるそう!
ちなみに形の良いものが揃った箱売りも置いてありまして、2キロ入りの箱で1,000円(キロ500円)でした。贈ることも出来るとのことでしたので、トマト好きなあの人へ八千代産桃太郎をプレゼント・・・というのもオツかも。
トマト好きといえば、私は無類のトマト好き。
でも、丸かぶりをすると唇が赤く腫れてしまうんです。これは子供の頃からなんですが、実はトマトで軽くかぶれる人って多いらしい!
「おいしいトマトは酸がそれだけ強いんです。美味しくない水っぽいトマトはほとんどかぶれません。なので、肌の弱い方やお子さんは、食べてすぐ口を拭っていただくか、口に入る程度に切り分けてもらうのがいいのですが・・・レタスと一緒で、トマトも包丁を入れてしまうと鉄成分で味が変わってしまうので、一番おいしい食べ方は丸かぶりなんですよね。
最近ミディトマトなど小さめトマトが流行っているのは、切らずにそのまま頂けるということで味を良く感じることがあるのかもしれません。」
余談ですが、この前テレビでやっていましたが、幼児の喉の直径ってミニトマトと同じなんですって!詰まってしまうと、どうにもこうにも取り出せずに窒息死してしまうケースが後を絶たないらしいので、ミニトマトをあげるときは必ず切ってあげるといいですよ!
トマト以外にも旬を迎えた春野菜をご紹介。
直売所ならではの品で、今売れているのが筍!
八千代は竹藪が多いらしく、なにげにタケノコが沢山収穫できるそうなのです。土から出ている部分が緑色がかっているのですが、そうした部分が少なくて小さくまるまるしたものが柔らかくておいしいそう。筍はなんといっても鮮度が命!時間が経つにつれてどんどんアクが強くなってしまうので、朝採りのものが購入できる直売所だからこその春野菜です。
2本で500〜600円ほど、これにアク抜き用の糠が一袋ついて販売されていました。
「筍は皮のまま糠と一緒に茹でたあと、バンバン流水にさらすのがアク抜きのポイントです。糠じゃなくても、米のとぎ汁や米を少し入れて煮ても大丈夫ですよ。」
また、八千代産の柔らかーい春キャベツも、陳列したそばから無くなってしまうほど、今人気の商品です!大体1玉が150円程度で販売されていました。巻きが緩めでふんわりした葉は、そのまま生でいただいてもいいし、ロールキャベツにしても扱いやすくて良さそう!
ちなみに、春キャベツの外葉は冬キャベツのように捨てないで食べられるらしいです。
他にも、葉を食べる「葉玉ねぎ」(120円程度)や、春に収穫される新大根、柔らかい葉まで美味しいかぶ(5玉で150円程度)などもオススメ春野菜。アスパラも今の時期は柔らかくてみずみずしいんですって!
「アスパラは、太いもののほうが柔らかいんですよ。下のほうだけをちょっと削れば、筋が口に残ることなく美味しくいただけます。」
珍しいところでは、「根ミツバ」なんていうミツバも。
これは普通のものより根っこが太くて、香りが強いんですって!根元は砂を盛って栽培していて、白っぽくなっています。
普段は脇役なミツバですが、シャキシャキとしっかりした歯ごたえを楽しめるので、おひたしや卵とじ、お汁のメイン具材としてオススメだそう。
帰りにトマトや筍、かぶなどを購入して、早速夕食にいただきました!
トマトは、あえて桃太郎の美味しいポイントを押さえたものと、そうでなさそうなものを購入。右側がちょっと白いてんてんが出ているもの、逆に左側は黄色っぽい筋が出ていて重みのあるトマトです。こうして並べてみると、何だか筋がある方が緑がかっていて酸っぱそう・・・。
切ってみると、実が詰まっているのは後者のほう。
前者は種の部分が多くて、肉質もつぶつぶ感があって柔らかそうな感じです。
実際に口にしてみた感想は、確かに筋が入っているほうが断然コクがあって、トマトらしい味がします。何だか最近出会ったことのない、青々しい香りがたまりません!
まだピークじゃないというだけあって、確かにちょっと肉質がしっかりしすぎていて、酸味が強いかなぁ?とも思えましたが、トマト好きには絶対こっちのトマトのほうが受けが良いはず!
逆に、水っぽそうなトマトは、赤く熟しているだけあって酸味が抜けてさっぱりと食べられます。味も濃くはないけれど、トマトがそこまで好きじゃない人には、こっちのほうがクセなく美味しいという方もいるかも・・・。
これは、好みで分かれそうです。
(私は断然筋入りのほうが、コクも適度な酸味もあって好きでしたが、一緒に食べた母はそこまでトマト好きではなく、水っぽい方が味があまり濃くなくて食べやすいと言っていました。)
旬がピークになれば、筋入りも酸味がもう少し抜けて、もっと甘く旨みが凝縮するようなので、こりゃ4月末にももう一度買いに行かねば!!
こういうしっかりしたトマトは、そのまま常温で置いておいても結構もつそうです。気になるようだったら、新聞紙にくるんで冷蔵庫にいれておくと良いみたいですよ!
また、筍も初めて生でまるごと購入したので、アク抜きチャレンジ!
土が付いているので、キレイに水で流します。根元が固ければ包丁で削ぎ切るようですが、購入したものは大丈夫そうだったので、そのまま皮に切り目を入れただけで下処理終了。
鍋に水をたっぷり入れて、付いていた糠を使ってアク抜き・・・でも良かったのですが、なんだか流しの後始末が大変そう。ちょうどご飯を炊くついででとぎ汁を使用しました。
さらに、赤トウガラシを一緒に入れてゆでると良いらしいので、これも1本入れてアク抜き開始!
火を入れて沸騰してから30〜40分ほど煮ていきます。結構泡だってくるので、吹きこぼれに気を付けて・・・。
串が刺さる程度に柔らかくなったら、そのままお湯の中に放置。しっかり荒熱を取ってから、ガンガン流水にさらして皮をむいて出来上がりです。
ちなみに、熱湯にいれてもアク止めにしかならないそうなので、時間が経ってしまった筍は、重層でアク抜きしたほうがアク自体を抜けるようですよ。(この場合は2リットル程度のお湯に小さじ1の重層を溶かして、同じように茹でます。)
ちなみに・・・エグみが残ると舌の奥がピリピリ痺れるような感じになります。また、昔から言われていますが、筍は食べ過ぎるとアレルギーが出やすい食品だそうですので、美味しいからといっても大量摂取にはご注意を。
他にも、かぶの柔らかい葉っぱや茎も一緒に豚肉と炒めたり、キャベツやトマトなどの生野菜サラダを作って、野菜一杯!の夕げとなりました。
特にトマトはかなりタイトな限定期間ではありますが、春ならではの新鮮野菜を楽しんでみてはいかがですか?
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・道の駅やちよの農産物直売所「クラフト」(2007年09月26日)
●八千代ふるさとステーション 農産物直売所「クラフト」 047-488-3188
千葉県八千代市米本4905-1道の駅「やちよ」八千代ふるさとステーション内(地図)
営業時間/9:30〜18:00(4月〜9月は〜18:30まで)
定休日/第2月曜日
※年末年始の営業について
平成19年12月30日(日)9:30〜15:00(営業時間短縮)、12月31日(月)〜1月4日(金)までお休みです。
【交通手段】
(バス)@京成電鉄「勝田台駅」より米本団地行き(約25分)A東葉高速鉄道「八千代中央駅」から米本団地行き(約20分)※@Aいずれも終点米本団地下車 徒歩約5分B公共施設循環バス「ぐるっと号」でふるさとステーション下車