2008年2月2日
ファミリーはもちろん、この時期デートスポット特集にもよくよく取り上げられるイベントと言えば、ビニールハウスでのイチゴ狩り!千葉県だと暖かな房総方面に目が行きがちですけれど、ここ八千代市内にもいくつか“いちご園”があるのをご存じですか?
今回は島田地区に今年からオープンしたいちご園へ行ってきました!
場所は、新川を挟んだ「道の駅やちよ」の対岸。遠目に見てもかなり大きなビニールハウスが2列並んでいるのですが、そこまでクルマで向かいます。
国道16号線を柏方面へ走ると、「道の駅やちよ」を過ぎてすぐの橋を渡る途中に、側道があります(図@)。ここを左折して島田地域へ入って行き(図A)、側道の出口をUターンして田んぼの方へ(図B)。
Uターンした先はすぐに道が分かれているので、ここを右折します(図C)。道なりに進んで十字路を左折すると(図D)、その先右側にビニールハウスが見えるので、そこまで直進します(図E)。
島田いちご園では、無料の専用駐車場スペースを設けています。ここへ停めたら、まずは手前にある受付用の小テントへ!こうして近くまでくると、ビニールハウスとは呼び難いほどに立派な施設だと気付きます。いちご狩りは、確か高校生の時に行った以来だけど・・・ビニールハウスって、こんなに大きかったっけ??
受付には、島田いちご園の方が数名いらっしゃいました。ここは八千代市の農家の方々が何人か集まって立ち上げた会社が運営していらっしゃるそうで、その人員の中で協力しながら栽培・維持はもちろん、こうした受付係も行っています。
「いちご狩りをしたいのですが。」とお伝えし、大人1,400円(税込)を2名分お支払いしました。この価格は開催期間内で変わります。⇒価格の詳細はこちら
この受付カウンターには、試食用のいちごが置いてありまして、「この長細いのが“あき姫”、左の丸っこい方が“さちの香”ですよ。ぜひ味見してみてくださいね。」とオススメいただきました。
これからいちご狩りをする方は、あとでタップリと堪能できますが、ここではいちご狩りはせずに、パック売りのものを買うだけでもOK!朝摘みされた完熟・新鮮ないちごは、1パックが550〜600円程度で販売されています。また、島田地区で収穫されたお米や大豆など、いちご以外の品物も買えるようでした。
この日は団体さんと同じ時間だったようで、市内の子供会の方々と一緒にビニールハウスの中へ。外はダウンジャケットを着こみたいほど、寒さの厳しい日でしたが、ドアを一歩またげば、5月頃のあたたかーい陽気を彷彿とさせるポカポカ具合!あまり湿度はきつく感じず、不快感はありません。子供たちも次々と上着を脱ぎはじめ、中ほどに設置されている長テーブルの上は、あっという間に荷物で一杯に。
この大きなビニールハウスの中は、大きく4面に分かれていて、入口から見て右側の奥・手前の2面は“あき姫”という種類のいちごが、そして左奥に“さちの香”、手前は“房の香”と“紅ほっぺ”が栽培されています。
通路は黒いビニールで地面が覆われていますし、足場が汚れる心配はありません。歩きやすい幅、そして圧倒されてしまいそうな広々としたハウス内、これはもう感嘆せずにはいられません!!
島田いちご園の方が、団体さんに向かって説明を始めました。
『ここには現在4種類ほどの苺が栽培されていますが、特にどの列を摘むといった指定はありませんから、お好きなものをお好きなだけ召し上がってください。同じ苺でも、食べ比べると随分と違うものですよ。練乳もご用意していますので、付けて食べたい方は容器にお好きな量を入れてください。ただ、最初はミルク付けないで召し上がってみて、自然な甘さを味わってみるといいですよ。
30分間という制限はありますが、かなり十分食べられると思いますので、慌てずゆっくりと楽しんでいってください。』
【追記 平成25年1月】
※平成25年度の個人苺狩り対象の種類は、章姫(あきひめ)50%、やよいひめ50%だそうです。
そして、注意事項も2つほど。
『ハウスの中央に茶色い木箱があるのが見えますか?あれは、いちごの交配のために飼っているミツバチの巣箱です。木箱のふたは開いていますから、こういう暖かい日は次々と花を移動して飛び回っているのですが、蜂は触らなければ絶対向こうから刺してきません。そばにいても恐れる心配はありませんが、触らないように気をつけてくださいね。』
『あと、摘んでいただく苺は“根元までしっかり真っ赤なもの”を選んでくださいね。少し白さが残っているものとでは、比べようがないほど甘さや風味が違います。』
青い実はまだまだこれから大きくなりますが、着色が始まってしまった苺は、もうこれ以上サイズが変わらないそう。完熟を見極めるポイントは、粒の大きさよりも、しっかりと全体が赤くなっているかどうかです!
20名ほどの団体さんは、説明のあとそれぞれ好きな場所へと散らばっていきましたが、全く混雑した印象がありません。ここのビニールハウスは、とにかく大きさ・広さが魅力!一般的なビニールハウスは、長さがここの半分ほど、それでも支えきれないので間に柱が入るそうなんです。建物と言いたいほど頑丈そうなこのハウスには、そうした視界を遮る柱を必要としませんし、奥行きがあって天井も高いので、100人単位の団体さんが入ったって十分受け入れられそう!
こんなにも立派なビニールハウス、機能にも特徴がありました。
『本来露地ものの苺は、5月頃に時季を迎えるんですが、この適温を維持するために“サーモセンサー”を利用してハウス内の温度を自動調節しています。天窓は段階的に自動開閉するようになっているので、暖かい日は外気を取り込み、逆に夜は密閉して暖房をかけています。』
さらに、タイマー設定で自動開閉するビニールのカーテンも2重に付いているんです。外側のカーテンは遮光機能まで備わっているとか!春に近づくと日照時間も変わってくるので、都度タイマーの設定を変えながら、日没頃にはカーテンでハウス内の空間を狭めます。こうすることで、暖房を効率的に機能させることが出来ているそうです。
ハウスの高性能さに驚きつつも、とりあえず苺を食べてみないことには!!あき姫の列に立ち、真っ赤な苺を選んで・・・あ、でもこれって、どうやって摘むんだろう??
むしっちゃっていいのかな?でもどの辺りから??
そんな迷いを察してか、園の方がすかさずアドバイス。
『人差し指と中指の間で、苺のヘタ上あたりを挟んでください。そのまま握り込むように手首を動かすだけで、コロンとうまい具合に苺が手のひらに残りますよ。』
おおー!超簡単!!
“あき姫”は、酸味が少なく甘みと香りが特徴だそう。口に含むと、すごくコクというか、厚みのある味が楽しめます。とにかく感動したのは甘さよりも香り!!自然ないちごの香りが、ふわぁっ!と広がるんです。スーパーでおいしい苺を買っても、こういう香りは今まで味わったことがありません。
“さちの香”は、あき姫よりもちょっと酸味がある感じがしました。サッパリ食べてもいいけれど、練乳が欲しくなるお味??
“ふさの香”は肉質がしっかりしていて、甘みと酸味のバランスが丁度良い品種。一番馴染みやすいかも?逆に珍しい印象を受けたのが“紅ほっぺ”です。かなりみずみずしさがあって、やや酸味が強い感じなんですが、何とも独特な風味を持つ苺でした。
どれが好きかと言われれば、私は“あき姫”かなー?
『香りが楽しめるのは、いちご摘みならでは。スーパーに並んでいる苺というのは、摘んでから陳列するまで2日くらいはかかりますから、まだ青いうちにパック詰めして傷まないようにしているんです。陳列する頃には赤く色づいて、いかにも完熟しているように見えますが、やっぱり苗で完熟して摘んだものとは全く風味も甘みも違いますよ。』
ちなみに、隣の道の駅の直売所で販売しているのは、ちゃんと苗で完熟したものを契約農家の方が朝摘んで出品しているものですし、ここ島田いちご園の受付で販売している苺も同じです。
こんなに広い敷地で栽培している苺ですが、素朴な疑問が・・・。
一度摘んでしまったら、もうそこの苗に苺は生らないんですか?
『ほら、ひとつの苗から何本も茎が伸びて、その先に花や蕾が付いているでしょう。こうして“一番花”だけではなく、ひとつの苗から二番花、三番花をタイミングよく咲かせ続けることで、長くいちご摘みを楽しんでもらうことが出来るんですよ。“いかに安定して苺を摘んでいただける環境を維持するか”というのが、いちご園を運営していく上での一番の課題です。そのためにも、肥料を追加していくタイミングなど、かなり技術を要してくるわけです。適度な肥料を維持することで、最後まで糖度や味の深み・コクを保っておいしい苺を提供できるように心がけていますよ。』
さらに、苺の安全性についてもお話がありました。
『摘んだものを直接口にするいちご摘みの畑ですから、農薬を出来る限り使わない“減農薬栽培”を行っていますよ。不必要に農薬を使わずにすむよう、病気になる前に予防することがポイントです。例えば、特に苺がかかりやすい“うどんこ病(葉がどんどん白くなってしまう)”の対策として、畑のところどころに点滴の機械のようなものをセットして、土壌から病気を予防しています。昆虫は、ほんのちょっとの殺虫剤で大打撃を受けるものなんですが、このハウスにはミツバチが元気に飛び回っていますし、安心して召し上がっていただいて大丈夫ですよ!』
小学生の団体さんのほかにも、うちのなび息子(1歳)とあんまり変わらない位のお子さん連れのファミリーも、何組か入っていらっしゃいました。うまい具合に苺を摘んで、口中一杯にほおばっている姿は何とも愛らしい限り!苺の苗と子供の背丈が、丁度バランスが良いんですよね。
あー、なび息子も連れてくれば良かった!(でも、一度この畑に放したら、お腹こわすほどに食べ続けそうだ・・・。)
ここ島田いちご園では、畑の両サイドと真ん中にフリージアやポピーなど数種類の花が植えられていて、花摘みも楽しむことができるんです。花の種類によって価格は異なりますが、1本30円〜100円程度の別途料金で摘むことができるそう。
1月末頃からは、ハウスに隣接した畑で菜花摘みも始まるそうで、200g前後ほど入る袋に詰めたものを、一袋150円程度で販売する予定とか。さらに、夏にはブルーベリー摘みも企画しているそうです。
いちご園についてお話を伺っているとき、将来の夢も語ってくれました。
『実はね、ここをバリアフリーのいちご園に出来ればいいなぁと思っているんですよ。もっとそれぞれの苗の幅を広く取って、水耕栽培で苺棚を段々に高く作ることで、車イスに乗りながらでも楽しめるようなね。そのためには、このビニールハウスを建てたくらいの費用がかかってしまうんで、まだまだ先のことになるかもしれませんが・・・。八千代市内や近辺の老人ホームの方々が、イベントのひとつとして楽しんでもらえるいちご園があってもいいなぁと思いまして。水耕栽培だと、肥料などの調節も今よりずっと安定した管理が出来るようになりますし、将来的にはそうした次世代の施設にしていけたらという希望を持ってますよ。』
今まで私が体験してきた“苺狩り”といえば、こんな大きなビニールハウスじゃなくて、もっとこじんまりした感じでしたし、摘むときも「この列の苺を摘んでください。」と指定されることが多かったように思います。時には苺が全然生ってなかったり、小粒ばかりだったり、練乳も予め容器に入れてある分だけだったり、それなのに金額的には家族全員で楽しむにはかなりお高め設定・・・。
でも、そうした苺狩りが普通だと思っていました。
けれどもこの島田いちご園でいちご狩りを体験してみて、イメージが一掃されてしまいました!なかなか複数品種の苺を食べ比べる機会もないですが、各種類の固さや肉質、糖度などの違いを楽しみ、自分の好みの品種まで戻って好きなだけ食べることが出来ますし、練乳だって無くなれば追加出来るし、何てったってこの広さ!
ただ・・・道の駅があんなに目の前にあるのに、なんで新川に橋が架かってないんだろう・・・。16号まで回らなくても、ちょっと歩いて渡れる橋でもあれば、もっと利用しやすいのになぁ・・・なんて。
でも逆にクルマで発見しにくいから、穴場的な感じでしばらく悠々と楽しめるかも??
とにかく、オススメです!!
●農事組合法人「島田いちご園」 080-1306-9752(法人「島田」いちご園担当)
千葉県八千代市島田402(地図)
【ホームページ】http://agri-shimada.com/ichigo.aspx
2013年イチゴ狩り情報
★個人
【開催期間】2013年1月12日(土)〜4月7日(日)
【開園時間】土日祝 9:30〜15:00 ※無くなり次第終了
【定休日】平日
★団体
【開催期間】2013年1月12日(土)〜4月中旬頃
【開園時間】午前の部/10:00〜12:00、午後の部/13:00〜15:00
【定休日】毎週月曜日(祝日の場合は翌日火曜日)
【後援】道の駅「やちよ」八千代ふるさとステーション/047-488-6711
※30分間食べ放題、練乳付き。
※土日祝日は混み合うため終了を早める場合があります。
※2歳以下のお子様でも、おんぶ紐等で背負っている場合は無料です。
八千代ナビ!イチゴ狩り情報 http://www.yachiyonavi.com/ichigo.html#shimada