ぎやまん塾の「初心者コース」で作成するタンブラーグラスには、好きな色を1色付けることが出来ます。
色は薄い水色や赤、濃紺など数種類のケースに入ったガラスの粉末から選びます。どうやって色を付けるのか、どこに付けるのかも分からずながら、とりあえず水色でお願いしました。
「じゃあ、タンブラーは吹いて膨らます工程がありますから、穴が空いた竿に種付けをしましょう。」と、講師の遠藤さん。
例のように1300度の灼熱窯へ、斜め30度くらいで竿の先をつっこみます。飴細工のようなガラスを竿先に巻きつけると、巻きつけた先を上にして竿を真上に立てました。でろーんと下に灼熱ガラスが垂れ下がってきます・・・何やら危険な香り。
何のため?
それはタンブラーグラスの真下に色ガラスをつけるためなんです。
竿をひっくり返すと、当然ガラスが垂れます。その先に色ガラス粉末が入ったケースを準備しておき、垂れた先にちょんちょんと付けると、丁度いい塩梅にキレイに色づくんですって。
この色ガラス、窯で巻きつけたガラスの表面にブツブツとくっついているだけなので、これを馴染ませるために高温の箱「ダルマ」でしばらく熱し、デコボコが無くなったのを見計らって濡れた新聞紙で形を軽く整えます。
そしていよいよ遠藤さんからお許しが!「さて、ここで一度吹きます。思い切りどうぞ。」
しかしながら、前編で試し吹きしたときパリンと割れたことを思い返すと、どの程度の力加減で吹き込めばいいのか・・・。ふ、ふーぅ。
「もっと強く吹いて大丈夫ですよー。」「ぷ!ぷぅぅぅー!」
遠藤さん曰く、はじめに恐怖体験?をされた方は、割れるんじゃないかとドキドキして力一杯吹き込めないんですって。まさに私??
でも、言うほど力を込めて吹かなくても風船を膨らますのと同じで、はじめの吹き込みが多少要領がいるだけで、そのあとは超らくらくで空気が入っていきます。このまま大きく膨らますのかと思いましたが、その前にもう一度窯でガラスを巻きつけてました。
ここからはひたすら、@紙で形を整え、A吹いて空気を入れて、Bハシで切り込みを入れるという3工程を数回繰り返します。
やっているうちに冷めて形が変わりづらくなると、だるまに入れて温めて作業をしやすくします。この辺りから技術が問われる感じです。最終形がイマイチ想像できないので、どの辺りがどう膨らめばタンブラーになるのか要領がつかめません。どう考えても、このまま電球が出来るとしか考えられない・・・。
なので言われるがままに、作業を進めていきます。「ハシの後ろを使ってここを叩いて平らにしてください」と言われ、「ここがテーブルに置く側になるのかー、随分口の細いタンブラーになるんだなー。」と不安になりながら叩く、叩く。
「もっと強く叩いて!」ガンガンガン!結構思う以上に力を入れないと、形が変わりません。(あとから思えば)全体的に恐れず思い切りやったほうが、上手くいくようです。
適当なところで、今度は叩いた面に三角錐状のガラスをつけた竿をつけて、逆に今まで使っていた竿を外す「ポンテ付け」を行います。これによって今まで電球にしか見えなかった形が、急にグラスっぽく想像できるようになるわけです。
ダルマで温めて形が変形しやすくなっているところで、竿ごと回転させたグラスの細い口からハシの片方を入れ込みます。回転している間にハシをガラスに押し付けることで、だんだん口が広がってきて、あっという間にタンブラーになってきました!面白いー!
けれど、思ったより随分背の低いグラス・・・。もっと吹き込んで細長くしないとダメだったのかしら??まあ、でもちょっと歪んだりしたところも、なんだか手作り感が溢れてていい感じ。あとはポンテ竿を外せば出来上がりです。
がっちりくっついてるので、どうやって外すのか、割れてしまうんじゃないか?と少々心配でしたが、ちょっと切り込みをいれたところを叩くだけで、思いのほか簡単にぽこっとはずれました。そこをバーナーで軽く焼く「ポンテ焼き」を行い、底面をなめらかにして完成!
手作りのグラスの裏に跡があるのは、こうやって作るかららしいです。
ここで初心者コースで作成する2品は完成したのですが、遠藤さんから「白鳥、作ってみる??」と衝撃のおすすめが!
白鳥とは、このぎやまん教室を体験した方にプレゼントされる置物で、社員の方が空き時間などに作って沢山置いてあるのですが、それを特別に作らせてくれるというのです。
横からなび夫さんが、「絶対無理だよ、やめときなー」。
カチンときて、ええ、ぜひ作らせてください!と強気にチャレンジ!ものは試しです。
要領は、竿に種ガラスをまきつけて、タンブラーのように色ガラスをつけてダルマの火力で馴染ませたあと、ハシで切り込みを入れながら丸くしたあと、さらにガラスを巻きつけたものを使って、今度は飴細工のように首を作ったり羽根の切り込みを入れたりするんです。
何が難しいって、ハシを離すタイミングが難しい!!ちょっとでもタイミングを逃すと、つまんだガラスがハシにくっついて離れなくなり、作品終了・・・。
1回目は無残にも首がねじ曲がり、ハシに絡み付いて合体してしまいました。やめればいいのに、再チャレンジ!で、超微妙ーな白鳥が完成。首があり得ない方向に向いてますけど、これが素人の限界です。(写真は分からない角度から撮影・・・。)
本当は、こんなに素敵な白鳥になるはずなんです。
白鳥以外にも、同じような作業で様々な動物や植物などの置物が作られていました。これらは、業務とは別で早朝やお昼休みなどを使って、遠藤さんはじめガラス細工を作るのが好きな社員の方々が手掛けているんですって。それを「グラスランド八千代」や、ファミリーバーゲンのときに販売しているわけです。
遠藤さんも朝2時間前には出社して、24時間熱せられている窯を利用して作業にあたります。ガラスでの「ものづくり」が本当に大好きなんだそうで、私が白鳥を作った後も色々な技を見せてくださったのですが、皆さん子供のような笑顔で心から楽しんでいる様子が窺えました。
こうやって熱いガラスと接する機会は、そうそうありません。
今回教えてくださった社員の方々も、この感触や楽しさをぜひ楽しんでもらいたいとおっしゃります。観光地でガラス細工を体験できる場所もありますが、ただ吹くだけだったりと、ここまでしっかり体験させてくれる場所はなかなか無いようです。しかもこの金額!八千代に住んでいる特権ですよね。
ぜひこのガラス細工、体験してみてください。かなりおすすめです!一度体験された方は、大抵ハマってもう一度やりたくなるそうですよー。
ちなみに、2006年第一回の教室は1月28日(土)です。
●東洋佐々木ガラス「八千代ぎやまん塾」 047-459-3113
千葉県八千代市大和田新田559(地図)
教室開催日/毎月第4土曜日(月によって変更有り。予約時確認)
〔教室コース〕
A 初心者コース(3,000円)
→ペーパーウェイト(泡入り)×1、タンブラー(色付1回)×1
B ペアタンブラーコース(3,000円)
→タンブラー(色付1回)×2
C カラフルペーパーウェイトコース(4,000円)
→ペーパーウェイト(色付2回以上)×2
D じっくりAコース(3,000円)
→タンブラー、花器、皿・鉢など好きな品で2回以上の色付をするもの×1
E じっくりBコース(5,000円)
→上記Dコースの品×2
※年齢制限有り/中学生以上から
※予約は前月教室終了後から次回教室開催前まで。電話にて予約受付します。
※料金は教室開催日、受付にて現金手渡し。
※特に持ち物は無し。ただし、怪我がないように安定したシューズと、出来ればズボンをオススメします。