2005年12月11日

東洋佐々木ガラス「八千代ぎやまん塾」体験!〜前編

先日東洋佐々木ガラスの「ガラスランド八千代」を訪れた際(そのときのレポートはこちら)、月に1回ガラス工芸を体験できる教室を開いているという話を聞きました。去年2004年3月から、地元の方々にガラス工芸を通じて、会社のことをもっと知ってもらいたいという思いから始めた教室だそうですが、ガラスを溶かす炉や専用の道具が完備された場所でないと体験出来ないことなだけに、私も興味深々!12月の教室に参加してきちゃいました。

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基本は毎月第4土曜日に8:30〜、10:00〜・・・という感じで2時間ずつ計4,5回の教室が開かれます。電話で事前に予約して、当日工場へ手ぶらで向かいます。ただ、今回は工場の都合もあって、第2土曜日に開催されました。(こんなこともあるので、予約時に次回開催日を確認してくださいね。)

工場の門の前にある警備室で場所を伺い、敷地右奥にある黄色い大きな扉から中へ入りました。グラスの破片や大きな機械などが立ち並び、なんだか小学校の工場見学さながらの様子。

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工場の中央奥に、ようやく人影が見えました。10:00の回に参加する人や、講師を務める社員の方々などが、大きな炉の周辺に集まってます。私も早速名簿で名前を確認してもらい、「TSG」のマークが入った青い作業着を羽織って炉の近くに集まりました。

既に作り始めているのは、前の回の方々。この教室はマンツーマンで講師の人が付いて、同時に2、3人が体験しています。来た人順なので、多少待つこともありますが、その間に皆さんが作っている様子を見てイメージトレーニングするわけです。

いよいよ、私の番が回ってきました。本日の講師は、こちらの塾長を務める遠藤さんです。「今日は初心者コース(3,000円)ですから、ペーパーウェイト(泡入り)とタンブラー(色付け1回)を作りましょう。」

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まずは道具の使い方について軽くレクチャーが入りました。使用するのはガラスを巻きつける竿、熱いガラスの形を整える紙リン(新聞紙をたたんで水に浸したもの)、ガラスにくびれを付けたり、叩いて形を整えるための西洋バシなどです。作業台に腰を掛けて、実際に道具を使うときの姿勢などを教わります。上の写真のとおり、身を乗り出してガラス玉とまっすぐに向き合わないと曲がってしまったりするそう。

「一緒に作業するので初めてでも全然大丈夫です。紙といったら紙リンを持って、ハシと言ったら座って西洋バシを握って準備してくださいね。では、さっそくペーパーウェイトを作りましょう!」

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まず溶けたガラスの入った炉の前に置かれている、1.2mくらいの竿を手に取りました。竿は息を吹き込むために穴が開いたタイプと、ペーパーウェイトのように巻きつけるだけに使う穴のないものがあるそうです。これらがいつでも使えるように炉のそばで熱せられています。

穴のない竿先と中央上辺りを指先で軽く添える程度に持ち、1300度のガラスに突っ込み巻きつけました。目が痛くなるような炉の中には、不純物が寄らないように使用する溶けたガラスの周りに囲いがあります。少し固めの蜂蜜みたいなガラスは、割と簡単に巻きつきました。

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作業台に座り、真っ赤なガラスの頭にアクセントとなる気泡を作ります。マドラーのような鉄の棒で、ペーパーウェイトを置いたときに見える真上に位置するあたりを、6,7箇所プスプスと刺していきます。うおー、変な感触!しかも到底丸になるとは思えないいびつな形に・・・。大丈夫か?!

そんな心配をよそに、台の上で竿をくるくる回転させながらガラス玉が落ち着いた頃合を見計らって、再度炉に突っ込んでガラスを巻きつけました。なるほど、更に上からガラスを被せて、中に気泡がたまる感じになるんですね。

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「紙!」という掛け声に反応し、軍手に包まれた手のひらへ濡れた新聞紙を準備。少しでも新聞紙から手がはみ出していると、冷めても600度はあるガラスが転がりますのでご注意を。
「600度のガラスなんかに触れたら、簡単に燃えるからねー」なんて、楽しそうにおっしゃる遠藤さん・・・。え、まじ?

灼熱のガラス玉に相当気を取られつつ、まずは手の平を広げてくびれを付ける気持ちで傾けながら新聞を支えます。台の上を転がる竿に合わせて手を移動させていくだけで、玉は丸みを帯びていくのです。でもタイミングがなかなか難しい・・・。「今度はもっと包み込むような形にして!」言われるがままに必死で新聞紙を移動させていきます。

手は予想外に全然熱くないんですが、ガラスにより近い右足太ももあたりが熱くなってきます。透明になってくるガラスはすっかり冷めてしまっているように見えますが、やっぱり相当放熱しているよう。体験される方は、ズボン着用がおすすめですね。

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水に触れたガラスは、次第に冷えて(といっても500度)形が歪まなくなってきます。そうなると作業を続けるために「ダルマ」と呼ばれるこれまた灼熱のボックスの中にガラス玉を突っ込み、とろけさせるわけです。

再び真っ赤になったガラス玉に、今度は切り込みをつけていきます。これを「くくる」と呼ぶそうですが、くくるために西洋バシを竿の端から1〜1.5cmあたりへ持っていきます。そして転がる竿に合わせて、ハシで軽ーくつまみながらまずは切り込み跡を付けていきました。

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すると、ガラス玉にくびれが出来てきます。はじめは軽く、そしてだんだん強く握ってしっかりくびれを作ります。回転している間にハシを放さないと変な跡が付いてしまうので要注意!それにしても、だんだん薄黄色になって固まってくると、より一層ガラスに爪をたてたようなキキィーという音が・・・!発泡スチロールのこすれる音もダメな私は、この作業に若干の覚悟を要しました。でも、だんだん不思議と丸くなってくるのは面白い・・・!

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すっかり透明になって丸くそれらしくなってきたところで、竿から外すためにのこぎりで傷をつけます。これは思いのほか音もあまりせず、むしろどの程度まで力を入れていいのか判断に迷う作業でした。そのままスコーンと下に落ちたらどうしよう!と思うと、なかなか力が入りません。「もうちょっと!」という遠藤さんの声に背中を押されつつ、なんとか傷をつけ終わり、ようやくペーパーウェイトの完成となりました。

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竿をガンと叩くと、簡単にペーパーウェイト部分が切り落とされました。その落とされた先は、作品を500度程度に保温しておく場所。今日体験された方の分がすべて終わったところで、ペーパーウェイトは丸くなるよう研磨してくれるそうです。その後、ゆっくりと時間をかけて置き冷ましをし完成となります。工場で扱う製品はそんなこともしていられないので、右写真のようなベルトコンベアーに乗せられて2時間半程度かけて「流れ冷まし」をするそうです。

出来上がるのは月〜火曜日以降。直接ガラスランド八千代に商品を取りに来るか、土日の場合は警備室で受け取りができるようにしてくれるそうです。遠方の方には配送も対応してくれるそうですが、さすがに「世界にひとつ」の手作り品なのでなるべく手渡しでということでした。

さてさて、続きましてタンブラーの製作です。
このペーパーウェイトはタンブラーを作るために必要な基礎作業の練習といったところ。気になる竿を吹く工程も、タンブラーには用意されてます!

期待を胸に、今度は穴開き竿を持って炉に突っ込みました。
「吹くのは初めてだよね?じゃあ、試しで吹いてみよう。」と、灼熱のガラス玉が付いた竿を手に、竿に残ったガラスを落とす場所まで移動。

「思いっきり吹いてみて!いいよというまでそのまま、そのまま・・・」

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ぷー。ぷぷー。以外と簡単に空気が入ります、っていうかどんどんシャボン玉のように大きく、薄ーく膨らんでいって・・・。思わずいいよと言われる前に吹くのを止めたら、パリンという音とともに、ガラス風船は残骸ガラスの中に落ちていきました。

ええー!?ちょっと、間違って空気入れすぎるとこんなパリン!とかってなるの???お、恐ろしいー!!作れるの?大丈夫なの???

不安顔な私の横で、不敵な笑みを見せる遠藤さん。どうなる?なび子のタンブラー!

後編へ続く

●東洋佐々木ガラス「八千代ぎやまん塾」 047-459-3113
千葉県八千代市大和田新田559(地図
教室開催日/毎月第4土曜日(月によって変更有り。予約時確認)
〔教室コース〕
 A 初心者コース(3,000円)
   →ペーパーウェイト(泡入り)×1、タンブラー(色付1回)×1
 B ペアタンブラーコース(3,000円)
   →タンブラー(色付1回)×2
 C カラフルペーパーウェイトコース(4,000円)
   →ペーパーウェイト(色付2回以上)×2
 D じっくりAコース(3,000円)
   →タンブラー、花器、皿・鉢など好きな品で2回以上の色付をするもの×1
 E じっくりBコース(5,000円)
   →上記Dコースの品×2

※予約は前月教室終了後から次回教室開催前まで。電話にて予約受付します。
※料金は教室開催日、受付にて現金手渡し。
※特に持ち物は無し。ただし、怪我がないように安定したシューズと、出来ればズボンをオススメします。



posted by やちなび子 at 23:14 | Comment(1) | ◆おけいこ&学び体験レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
阿部先生には
大変おせわになりました
もっと若い生徒がいたらと言われて
いましたが、早く若い生徒を募集して下さい

追伸
ネズミを2,3個お願いします
Posted by 武藤義夫 at 2007年11月10日 20:04
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